連れて行ってやるから
コネタマ参加中: 線香花火のような、はかなく切ない思い出募集
あれはまだ、中学生だったかな。カレが家族で旅行に行ってきたのかな。行った先は立山と黒部ダム。それはそれは壮大な、美しい景色だったらしい。
その美しい景色に感動したカレは私に言った。
「二十歳になったら、絶対に連れて行くよ。感動するよ」と。
中学生だった私たちにとって、20歳と言えばすごく大人に思っていた。そして、その大人になるまでにまだ長い時間がかかるなんて、考えても居なかった。きっと、ずっと一緒に居られるものだと思っていたんだと思う。
会う場所はたいていどちらかの家だった私は、カレのその珍しい発言に、すごく驚いたし、うれしかった。二十歳になったら、必ず連れて行ってもらえるものだと思っていた。中学生では、一緒に行ける範囲なんてすごく限られていたんだと思う。
時間というものは、残酷で、二十歳になったとき、黒部ダムに行くことはなかった。
今でも、広告で「立山・黒部」と書かれたものを見ると思い出す。ずっと先の約束をしてもらったときのあのうれしさを。それと同時に、叶わなかった悲しさを。
| 固定リンク
「旅行・地域」カテゴリの記事
- ホテル武蔵坊(2009.10.24)
- 連れて行ってやるから(2009.09.01)
- 日本国道路元標(2009.05.26)
- もう一度大人になったら(2009.04.02)
- The B Otyanomizu(2009.04.02)


コメント